第9章 アカデミーの日常
ある日。
楽しい楽しい合同授業の日がやってきた。
だが、内容が内容だけに、ルナはちょっとうんざりしていた。
(体術、かあ……)
いくら技術があっても、力の弱いルナでは、限界があった。
まあそれはあと数年したらどうにかなるからいいとして………
イタチと当たった場合、安心してチャクラで肉体を強化して戦えるが、そうでなかった場合は、怪我をさせてしまうかも知れない。
かと言ってわざと負けるのも嫌だし………
どうしようか考えた結果、チャクラで肉体を強化せずに、ある程度戦ったら、瞬身で背後にまわって、
素早く当て身をしよう、ということになった。
悪い予感は的中し、ルナは忍者クラスで一番小さな子と当たることになってしまった。
まあ小さいと言っても、ルナと同じくらいだが………
まあ作戦の通りに行こう、とルナは思った。
「じゃあ、始め!」
という先生の声の直後、相手の子は元気よく飛びかかってきたが、そのスピードは呆れるほど遅かった。
でもまあ、アカデミー生なんてこんなものか、と思ってその緩慢な動きに暫く付き合い、作戦通り、
誰にもわからないような速さで当て身をして、相手を倒した。
みんなパニックになっていたけれど、イタチにはわかっていたようで、ルナの方を見てニヤッと笑った。
イタチの相手もつまらない相手だったようで、ルナの真似をしてまたみんなをパニックに陥れていた。
「今日の相手は物足りなかったなー。イタチ兄さんと当たりたかったー。」
「そうだな。」
イタチはルナの相手が気を失った時のみんなの慌てぶりを思い出して、ちょっと笑えてきた。
「そうだ、また組手しようよ!」
「それがいいな。」
二人で演習場に向かった。
始めると、イタチは凄い速さの蹴りを放ってきた。
流石イタチ兄さん、と思いながら、ルナはそれをかわして、
イタチの肩めがけて拳を突き出したが、すんでのところでかわされ、イタチの拳が迫ってきた。
それを拳で受け止めて、蹴りを放つ。
そんなやりとりを数時間に渡って続けていると、どちらともなく疲れたーと言って、二人同時に地面に倒れこんだ。