第45章 宴の後
次の日の朝。
遂にルナ達七班は雪の国を旅立つことになり、ルナと小雪は船の前で、別れを惜しんでいた。
「……………では、小雪さ…………小雪。
短い間でしたけど、一緒にいられて、とても楽しかったです。
お身体に気をつけて、雪の国の主君も女優も、頑張って下さいね!」
ルナは船に乗る前、そう言って小雪にぺこりと礼をした。
「レイ……………ありがとう。私も、あなたに会えて、本当に良かったわ。
ねえ…………もう一回だけ、抱き締めてもいい?」
(私は雪の国の主君、レイは木ノ葉の忍…………ひょっとしたら、もう一生会えないかもしれない………
………なら、せめてあと一回だけでも………………)
小雪はルナとの別れが寂しくて、思わずそんなことを口走っていた。
「…………はい。勿論ですよ。」
(小雪さんてば、昨日だけじゃなくて、意外とスキンシップ好きだな〜!新発見だ!)
ルナはそう言ってにこりと笑うと、スタスタと小雪の側に歩み寄った。
「………………レイっ!」
小雪はルナが側に来ると、凄い勢いでルナを捕まえ、腕の中に収めた。
そして、ルナの耳元に唇を寄せて、聞こえるか聞こえないかの小さな声で囁く。
「……………ねえ、レイ。約束して欲しいの。これからは……………
………………少しずつでもいいから、自分を大事にして、ね?」
(目的のために、あのドトウなんかとキスしたり………………レイは強いし、頼もしいけれど、少し自分を粗末に扱いすぎだわ。
私がとやかく言えることじゃないけど…………でも、レイには幸せになって欲しいの……………)
ルナに限りなく恩と親愛を感じている小雪は、優しい声で、ルナに言い聞かせた。