第44章 絆の春
「じゃあ、レイとみんな。引き続き宴を楽しんでね!私は少し、三太夫と話してくるわ。」
小雪はそう言うと、少し名残り惜しそうにルナから離れ、仲間と共に盛り上がっている三太夫のところに行った。
その小雪を、ファンの子供達が取り囲み、サインをねだる。
小雪は笑顔でそれに応え、サラサラとサインを書いていった。
「ああー!俺もサイン、もらっとけばよかったってばよー!」
それを見たナルトが頭を抱えてアホ面をし、叫んだ。
「そう言えば、さっきレイ、小雪さんからなんかもらってたよな?サインか?」
ルナと小雪をチラ見していたカカシが、鋭く突っ込んだ。
「え⁉︎レイ、サインもらったのか⁉︎いーなぁ、俺にも見せてくれよ〜!」
「え?別にいいけど………」
ルナはさっきの封筒からサイン付き写真を出して、ナルトの前に出した。
「どれどれ………」
ナルトだけでなく、サクラ、サスケ、カカシが、それを覗き込んだ。
写真には当然、小雪に抱きしめられて少し慌てているルナと、ルナを腕の中に収めてニコニコしている小雪がいた。
しかもそこには、『ずっとずっと大好きよ!』の文字。
四人はそれを見て、カチーンと固まってしまった。
(なんかこれ……ねーちゃんがレイに告ってるようにしか見えねーってばよ………)
(こ、小雪さん、よっぽどレイ君がお気に入りなのね………もしかして、好きってそーゆーイミ?)
(なっ………あの女、レイにこんな…………って、なんで俺、こんなにイライラしてんだ?)
(小雪さん………完全にレイに惚れちゃったみたいだな………まあ、無理もないか………)
ナルト、サクラ、サスケ、カカシは、ルナが見せたサイン付き写真を見て、様々な反応をした。
「離してくれー、って言おうとしたんだけど、ちょうどシャッターを切られちゃって………
まあ、これはこれで、いいですよね!」
ルナは四人の反応はあまり気にせず、そう言ってサイン付き写真を封筒にしまった。
そして顔を上げたとき、ルナと小雪の目がちょうど合って、二人はふふっと笑い合った。