第8章 いざ、アカデミーへ
「ふっ、やはりルナには敵わないな……」
「えぇ?イタチ兄さんは凄いよ。」
「さっきだって、ルナじゃなかったら、本気で豪火球を撃ったりできなかった。」
「そうそう、イタチ兄さんてば本気で撃って来るんだもん。ちょっとびっくりしたよ。」
「………そういえば、ルナは誰から術を教わっているんだ?」
「えーっと、それは………」
『………仕方がないですね。』
李蘭の声が頭に響いて、髪紐に変身していた李蘭は、本来の鳥の姿で現れた。
続いて、那由他も狼の姿で現れた。
結ぶものが無くなったルナの髪が、さらりと流れた。
『初めまして、うちはイタチさん。我が主がいつもお世話になっております。私は李蘭と申します。』
『俺は那由他だ。』
イタチは巨大な二匹の登場と頭に響く声に驚きながらも、李蘭の言葉を聞き逃してはいなかった。
「………主?」
『ええ、私達の主は、ルナ様ただ一人です。』
その後李蘭が、何故ルナに仕えているか、神隠れの里の詳細については伏せて、
ルナの父親の一族に仕えていたので、ルナにも仕えているということだけを説明した。
「……………」
イタチは暫くボーッとした後、
「………ルナには色々あるんだな………」
と呟いた。
「じゃあ、そろそろ帰ろうよ、イタチ兄さん!」
「……あぁ、そうだな。」
イタチはちょっとボーっとしながら言った。
その日はそれで帰った。