第42章 氷雪の地へ
影分身が戦っているとき、ルナ本体は、カカシの援護に行っていた。
「カカシ先生!雪絵さんと、ナルト達はもう船に向かいました!後はカカシ先生だけです!」
「レイ!わかった!できるだけ急ぐ!」
カカシはそう叫びつつも、チャクラの鎧を纏ったナダレに少しばかり苦戦しているようだった。
ナダレの氷遁と、カカシの氷遁が激しくぶつかり、もやが巻き上がる。
ルナはそれを突っ切って、ナルシスト・ナダレに背後の死角からまっすぐ突撃した。
チャクラの鎧対策として、ルナは風遁・飛龍の術をほんの少しだけ使って自分の身体に運動エネルギーを蓄え、
それをナダレの右耳に叩き込んだ。
「ではまた、後ほど。ナダレさん♪」
(ふん…………今はトドメは刺さないでおいてやる…………ま、どうせ後で殺すけどね………………)
ナダレを蹴飛ばして、雪面に着地したルナが、にぱっと笑って、フリフリと手を振る。
「ぐっ!……………お前っ!」
(耳を狙われたか……………クソッ、こいつも要注意だな……………)
ルナの強烈な蹴りが耳にクリーンヒットして、そのダメージを受けたナダレは、一時的に平衡感覚が鈍くなって、雪面に膝をついた。
「ほらカカシ先生、今ですよ。行きましょう。」
ルナはナダレが耳を押さえて呻いているのを見て、カカシに声をかけると、船に向かって瞬身で移動を始めた。
「あーあ、またレイに助けられちゃったなぁ…………………」
状況を察したカカシがそうボヤき、ルナに続いた。
そしてルナとカカシは遂に、船に乗り込み、雪の国に向かって再出発した。