第41章 調和の綻
ルナは自分の思いつきで犠牲になるものと、救えるかもしれないものを、天秤にかけた。
(イタチ兄さん達は悲しませちゃうかもだけど…………でも、これで何万という命が、消えずに済むかもしれない!
私と戦いに来た忍は、気絶させるか軽く負傷させて返してあげればいいし…………
……………私はそう簡単には負けないし、死なないし、そもそも寿命が無いから、超適任だし!
もうこれは、やるしかないでしょ!
それに………これで、イタチ兄さんやシスイさんがあんなに欲していた平和が、実現できる!
そうだよ!これは私にしかできないんだ!私がやらなきゃ!)
審判の結果、そのアイディアを採用することが、ルナの中で決定した。
ルナは今まで誰も実現できなかった理想を、実現できるかもしれないことと、
自分の命の最善の使い道を見つけた気がして、ワクワクしてきた。
(ふふっ……私、やっと、やっと、この世界での正しい生き方を見つけたかも!
そうだよ!忍同士の戦いが無くなれば、サスケやイタチ兄さんが危険に晒されることも無くなるし!
大蛇丸みたいなしょうもない奴は、私が掃除するか、更生できそうならどうにかして…………
…………いや、里抜けなんかする気も起きないくらい、私がみんなを恐怖で包めばいい…………
イタチ兄さん、シスイさん、李蘭、那由他、ごめんね。
私、気がついちゃった!
私にできる最大の贖罪に!)
「ふっ………あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははっ!」
楽しい気分になったルナは、久しぶりに大声で笑った。
それがはたから見れば狂っているようにしか見えないことなど、ルナにとっては些細な問題だった。
「あははははははははははははははっ…………あー、笑った笑った。久しぶりだなぁ、こんなに未来に希望が持てたのは。
ふふっ、そうと決まれば…………」
ルナは大蛇丸からの迎えが来て以降の作戦を練り始めて、心底愉しそうに笑った。