第39章 発覚
「それで………」
不意に、白が口を開いた。
「ルナちゃんは………一体どうなってしまうんでしょう、李蘭さん?」
白は落ち着いた口調で言ったが、焦りが顔に出ていた。
「……もしこのまま…………ルナちゃんの身体が、その人に乗っ取られたままだったら………」
李蘭は白の言葉に、ごく落ち着いて答えた。
「いえ、紅桔梗様が、このままルナ様の身体を操り続ける可能性は低いと思います。
あの方は残酷なところもありますが、大概、愛する子供達には甘いお方です。
しかも、ルナ様が最後の生き残りとくれば、紅桔梗様がルナ様にそんな酷いことをするなんて、考えられません。
それに………覚えていますか、みなさん?
ルナ様の影分身が、私達に何かを隠したのを。
多分それが、紅桔梗様がルナ様の身体を操ることができている理由なのです。
おそらく、ルナ様の精神は今、何らかの異常状態になっていて、
その隙をついて、紅桔梗様はルナ様の身体を操ったのでしょう。
そして、影分身は、ルナ様本体の異常を隠すために来たものと思われます。
ルナ様はいつも、大量の影分身を出しっぱなしなので、カモフラージュできるとお思いになったのでしょう。
何故、隠したいのか?
私達に心配をかけたくない、ただそれだけかもしれません。
でも私は、ルナ様が何か重大な秘密を抱えているのではないかと思っています。」
李蘭が珍しく饒舌に語っている。