第39章 発覚
「え………?」
もう一人のルナの登場に、シスイ達は混乱し、
人型に変化している李蘭と那由他は、聞き覚えのあるその口調に、ある人物を思い出したようだった。
「………まさか……あなたは………」
恐る恐るその人物………つまり妾に呼びかける李蘭に、妾は再び笑いかける。
「……そう、お前達の創造主にして、この身体………神皇寺ルナの祖先、この里の創始者…………
………紅桔梗だ。別名、"生命の神"。」
妾が言った聞きなれない名と二つ名に、シスイ達は混乱しているようだった。
ルナの影分身は、さっきからずっと下を向いて、この状況をどうおさめようか、必死に考えているようだった。
健気なことよ。
「あーああ、やっとこの身体を動かせた!」
妾はそう言って伸びをし、ふうっと深呼吸をした。
そして、胸の前がとても軽いことに気がつく。
ルナは成長が遅いのか、それとも元からなのか。
まあ、肩が凝らなくて助かるがね。
「………え?李蘭と那由他の創造主?ルナの祖先?」
状況が飲み込めないシスイは、目をパチパチさせて、戸惑っている。
「………そう!妾は千年前、李蘭と那由他に子孫を託し、魂ごと永遠の眠りについた筈……だった。
それが、李蘭、那由他、お前達が装置を破壊したとき、魂だけの存在となって解放されたのだ。
それからずっと………ルナの身体、イタチとかいう奴の身体、他にも色々な身体を通して………
…………お前達とルナをずっと、見て来たのだ。
今妾がこの身体を動かせているのは………」
妾が、ルナの精神がイタチの幻術によってダメージを受け、眠りについているからだと言おうとしたとき、誰かに口を押さえられた。