第38章 偽装工作
その少し前、日が暮れてきたのを見計らって、ルナの影分身の一人は、神隠れに正門から入った。
「李蘭、那由他、シスイさん、再不斬さん、白さん!」
そして、いつものように五人の名前を呼んだ。
すると、まず李蘭が出て来た。
「おや、ルナ様。お帰りですか。」
「うん!木ノ葉崩しの復旧が、ひと段落したしね。数日お休みなんだ。」
「そうですか。木ノ葉崩しのことは、私も風の噂で聞いています。
なんでも、木ノ葉の死者はゼロなんだとか………ルナ様の仕業ですね?」
「えへへ、バレた?」
「ええ。他の皆さんも、わかっていらっしゃると思いますよ。」
ルナの影分身が悪戯っぽく笑うと、李蘭もつられて優しい笑みを浮かべた。
「ルナ様、そろそろ夕食のお時間です。行きましょう。」
そう言う李蘭の手を、ルナの影分身は嬉しそうに取った。
「うん!行こう!」
「ふふっ。では、飛びますね」
李蘭が微笑み、二人は飛雷神の術で移動した。