第38章 偽装工作
現在、李蘭との修行の休憩時間中。
集まったルナの影分身達は、誰が本体の代わりに里帰りをしたり、イタチに会いに行ったりするのかを決め、
本体が月読にかかっていることは秘密にする、と言うことで一致団結していた。
「………それじゃあみんな、行こうか。
細心の注意を払おう。もし李蘭とかシスイさんとかにバレたら、計画が頓挫しかねないんだから。」
「イタチ兄さん何気に勘が鋭いからな…………でも、バレないように、最善の努力はするよ。
これ以上、イタチ兄さんに心労を負わせたくない。」
里帰り役とイタチに会いに行く役の影分身が、その他大勢に向かって言う。
「………うん。」
他の大量の影分身はしっかりと頷いた。
「………じゃあ、作戦開始!」
一人の合図で、影分身達はそれぞれの目的のため、動き出した。
一人は一度神隠れから出て、夕暮れ時まで待機し、その後、本体のフリをして神隠れに帰る。
また一人は、暁のアジトの自分の部屋へ。
その他大勢は、李蘭との待ち合わせ場所に、戻って行った。
「おや、ルナ様方、遅かったですね。
何かありましたか?」
李蘭は何気なくそう訊いたが、それは影分身達にとっては、危機を意味していた。
(ヤバッ!いきなりこうですか!やっぱり私って、わかりやすいのかな?)
「いや……………特に何も。」
ルナの影分身達は、出来る限りいつも通りに、李蘭に嘘を吐いた。
「そうですか。
では、今日も日没まで頑張りましょうね!」
「ぅ、うん!」
李蘭が追及しなかったことに、影分身達はホッとした。