第35章 木ノ葉崩し
ルナの影分身は、そのまま話を続けた。
「まあ、俺の話はそんなとこだ。こんな性格だからさ、人の気持ちとかあんまりわからないんだ。
でも、ナルトなら、我愛羅のことをわかってあげられるだろうって思ってさ。
我愛羅はナルトと本気で戦って、何かを掴みかけているみたいだぜ。」
「あー、だからレイは俺に我愛羅を任せたのかぁ………」
ナルトはルナの影分身に指名されたことに、合点がいった。
「悪かったな、ナルト。だがまあ、結果オーライってことで、許してくれ。」
ルナの影分身はそう言って苦笑いした。
「べつに、怒ってねーよ。どっちかってーと、なんていうか………」
ナルトはそこで口籠もった。
「?」
ルナの影分身はナルトの言いたいことがわからず、頭上に疑問符を浮かべた。
「………うれしかったってばよ。」
ナルトは何故か口先を尖らせて呟いた。
「……レイが、俺のこと認めてくれた気がして………うれしかったってばよ。」
ナルトは視線を下に向けたまま、そう言った。
「あはは、そうか。俺は初めて会ったときから、ナルトのこと認めてたんだけどな。」
(あれは確か……私が七歳のときか………懐かしいな………)
ルナの影分身は、ナルトに明るく笑いかけた。
「……そーかよ。」
ナルトは急に恥ずかしくなったのか、そっぽを向いてしまった。
(もーナルトってば、可愛いなぁ。)
そんなナルトに、ルナの影分身は温かい笑みを零しながら、木ノ葉に向かって移動を続けた。
そして、ルナの影分身とナルトは、木ノ葉に帰還した。
ルナの影分身は、隙を見て本体と入れ替わり、ポフンという音を立てて消えた。
ナルトを家に送ると、ピンピンしていたルナは、木ノ葉の復旧を手伝った。