第35章 木ノ葉崩し
ルナの影分身は狸寝入りをしているシカマルの脇腹をくすぐった。
「だははははっ!レイ、やめろっ!」
シカマルは堪えきれずに、笑い出した。
「ほら、シカマル。聞いてただろ。行くぞ。」
ルナの影分身はシカマルを呆れたような目で見て言った。
そのとき、状況が掴めていないナルトに襲いかかった音忍を、ガイが壁に叩きつけ、壁に穴が空いた。
「今から任務の内容を言う!
サスケの後を追い、合流してサスケを止めろ!そして別命があるまで安全なところで待機!」
カカシが主にナルトに向かって言った。
「サスケがどうかしたのかよ!」
ナルトは狼狽えているようだった。
「説明は移動しながら話す!行くぞ!」
ルナの影分身は三人と一匹を連れて、壁の穴から会場外に脱出し、作戦を開始した。
「……あいつらだけで平気か?」
ガイが不安そうに言った。
「多分な。パックンがついてるし、何よりレイがいる。まず大丈夫だ。」
「そうか……」
ガイはカカシがそこまで推している下忍を信じることにした。
自分のことを『ガイさん』と呼んだルナの影分身に若干の違和感を覚えていたが、それが何故なのかはわからなかった。
「で、レイ!サスケはどうなっちまったんだ⁉︎」
ナルトが移動中に訊いて来た。
ルナの影分身は、サスケが我愛羅を追って会場から出たまま行方がわからなくなっていることを説明した。
「なるへそ!そーゆーことになってたのか!サスケのヤツ焦りやがって!」
そう言うナルトはサスケを心配しているようだった。
「だからってなんで俺が駆り出されんだよ!くそめんどくせーな!」
シカマルがぶつくさ言った。
「まあそう言うな。それより、スピードを上げろ!後方から九人来てる!」
ルナの影分身は、大蛇丸の手下……もとい音忍らしきチャクラを感じて叫んだ。
それを聞いてサクラは疑問に思った。
「レイ君!なんでそんなことわかるの⁉︎さっきからずっと先頭にいるけど、サスケ君は本当に今進んでる方向にいるの⁉︎」
サクラはサスケが関わっているためか、いつもよりも必死だった。