第35章 木ノ葉崩し
カブトが涅槃精舎の術を使ったのがわかって、ルナは神通眼を開き、幻術を解いた。
観客席を見ると、木ノ葉の実力のある忍達が、幻術返しを使っていた。
ルナの影分身六体はサスケの元に急行し、円陣を組んだ。
迷彩隠れの術を使い、チャクラの気配を消しているため、サスケには姿は見えず、気配すらも感じられなかった。
(サスケ……私が絶対、守るから。)
ルナの影分身達は、サスケに存在を悟られないように、我愛羅を追うサスケに合わせて移動を開始した。
ルナがヒルゼンの方を見ると、大蛇丸がヒルゼンにクナイを突きつけ、物見やぐらの屋根の上に連行しているところだった。
念のために、影分身一体をカカシの元に向かわせた。
「カカシ先生!」
「レイ!」
「レイ君!」
カカシとサクラがルナの影分身の方を向いたとき、二人に音忍が襲いかかろうとした。
ルナの影分身はそれを、カカシよりも早く引き裂いた。
「カカシ先生!結界の中を見て下さい!」
ルナの影分身はわざとらしく、ヒルゼンと大蛇丸の方を指差した。
「あれは……大蛇丸!」
カカシは大蛇丸の方を向いて、目を見開いた。
「そうです!大蛇丸が風影に化けていたんです!」
「なにっ⁉︎」
ルナの影分身の言葉に、その場にいたカカシとガイは驚いた。
「カカシ先生、ガイさん、俺とサクラとナルトとシカマルはサスケを追いますから、ここをお願いします。」
ルナの影分身はカカシに申し出た。
「レイ……わかった。ナルト達を頼んだぞ。
だが、会場から出たサスケを追うのは難しいだろう。こいつを連れてけ!」
カカシはそう言ってパックンを口寄せした。
「あとはこのパックンが、サスケを匂いで追跡してくれる!サクラ、ナルト達を起こせ!
波の国以来のAランク任務だ!」
「は、はい!」
サクラは状況変化に戸惑いながらも、ナルトにチャクラを流し、幻術を解いた。