第31章 死の森
「くっ………」
みたらしアンコは呻いて、肩の呪印を押さえた。
「どうじゃ、まだ痛むか。」
ヒルゼンが煙草をふかしながら訊いた。
「いえ……お陰で大分良くなりました。」
みたらしアンコはそう言ってジャケットを羽織った。
「にしても、大蛇丸って木ノ葉の伝説の三忍の一人ですよね。暗部ですら手が出せなかった手配書S級の抜け忍でしょ。
既に死んだとも聞いてましたが…………」
「なぜ今更、この里なんかに………」
同じ監視室にいた忍二人の言葉で、みたらしアンコは死の森で出会った大蛇丸の言葉を思い出した。
————————欲しい子がいてね。とってもとっても優秀な子なのよ………容姿も美しいしね…………
「多分…う……」
「……………皇レイじゃろう。」
「えっ⁉︎」
うちはサスケだと言いかけたみたらしアンコの後に続いたヒルゼンの言葉は、みたらしアンコの予想を裏切るものだった。
その時、監視室のモニターに、第二の試験終了を告げる報告が上がって来た。
「とりあえず……試験はこのまま続行する。あやつの動きを見ながらじゃがな………」
「ハイ………」
みたらしアンコは追及することはしなかったが、皇レイだと言い切ったヒルゼンに引っかかりを感じた。
(皇レイ………………ついこの間、風の国から来たという火影様の遠縁………それがなんで……
…………………本当に皇レイを狙っていたのか?大蛇丸は…………)
みたらしアンコは、皇レイの事を少し調べてみよう、と思った。