第31章 死の森
みたらしアンコに連れられて、受験生は死の森と呼ばれる演習場に来ていた。
死の森を柵の外側から見て、多くの受験生が緊張していた。
「………………………」
ナルトは死の森にそびえ立つ大木を見上げて冷や汗をかいていた。
「なんか、うす気味悪いところね……」
サクラは不安そうに呟いた。
そんな受験生達をよそに、みたらしアンコはニヤニヤしていた。
「フフ……ここが死の森と呼ばれる所以、すぐ実感することになるわ……」
そんなみたらしアンコにナルトが突っかかった。
するとみたらしアンコはクナイを投げてナルトの頰を浅く切り裂き、流れる血を舐めとった。
「アンタみたいな子が真っ先に死ぬのよねぇフフフ…私の好きな赤い血をぶちまいてね♡」
みたらしアンコのセリフにナルトは震え上がった。
そのとき、草忍姿の大蛇丸が、みたらしアンコがさっき投げたクナイを舌で掴んで返しに来た。
「クナイ……お返ししますわ……」
「……わざわざありがと。でも、殺気を込めて私の後ろに立たないで……早死したくなければね。」
「いえね……赤い血を見るとついウズいちゃうタチでして……
……それに大切な髪を切られたんで興奮しちゃって……」
みたらしアンコと大蛇丸の間に緊張した空気が流れた。
ルナはいつもにも増してオネエっぽい大蛇丸に笑いを堪えるのに必死だった。
そうしている間にみたらしアンコと大蛇丸のやりとりは終わってしまった。
「フフ……今回は血の気が多いのが集まったみたいね……楽しみだわ……」
みたらしアンコは楽しそうに呟いた。
(アンタが一番血の気が多いってばよ!)
ナルトは心の中ですかさず突っ込んだ。
「それじゃ第二の試験の前に、アンタらにこれを配っておくね!」
そう言ってみたらしアンコは紙束をバッと出した。
それを見て受験生達は、疑問符や感嘆符を頭上に浮かべた。
「同意書よ!これにサインしてもらうわ。
……こっから先は死人も出るから、それについて同意を取っとかないとね!
私の責任になっちゃうからさ〜〜〜♡」
みたらしアンコが笑顔で言った言葉に、受験生の大半は凍りついた。
凍りついていないのは、ルナ、大蛇丸軍団、我愛羅、音忍三人組ぐらいだった。