第30章 ペーパーテスト
すると、ガラスを破って、何者かが試験室に乱入してきた。
その人物は、『第二の試験試験監督、みたらしアンコ見参!』と書いてある横断幕を担いでいる。
「アンタ達、喜んでる場合じゃないわよ!私は第二の試験試験監督!みたらしアンコ!次!ついてらっしゃい!」
みたらしアンコのテンションに試験室の空気は白けた。
「空気読め……」
森野イビキは、みたらしアンコの余りの空気の読めなさに呆れかえった。
「ちょっとイビキ!今年の第一の試験甘かったんじゃないの!……まあ良いわ、次の試験で半分以下にしてやるから!」
みたらしアンコは森野イビキの発言を無視して言った。
受験生はみたらしアンコに連れられて、第二の試験の会場へ向かった。
サスケ、サクラ、ナルトがちゃんと残っているのを見て、ルナはホッとした。
解答用紙の回収後。
「まさかこの試験を白紙で通過するヤツが出るとはな……」
森野イビキはナルトの解答用紙を見て呟いた。
解答用紙をまた数枚捲ると、裏にも表にも何かがびっしり書いてあるものがあった。
「表は……これは……解答か。………ふむふむ、どうやら全部合っているようだ。なら、裏は……?」
裏には、意味をなさない記号の羅列があった。
「暗号か……」
森野イビキはルナの書いた暗号を解こうとした。
「………解けない。しかも、三種類もあるようだ……」
森野イビキは下忍が作った暗号が解けないことに落ち込んだ。
悔しくて、それを暗号解析に回すことにした。
「皇レイ、か……聞いたこともないな……」
森野イビキは解答用紙に書いてある名前を呟いた。
数週間後、ルナの暗号を解いた暗号解析班の忍は、震え上がった。
「願うなら生を、止めてあげる……?……俺、狙われてんのかな……新手の犯罪予告かも………
………しかも、二度と戻れないって……手遅れってことか……?ううっ、深く考えるのはよそう……」
その忍はルナの暗号文を握り潰した。