第28章 子守任務
「……カカシ先生、来ないわねぇ……」
波の国から帰って一週間後、次なる任務の為に門の前に来ていたサクラは呟いた。
「あ〜も〜!カカシ先生、遅すぎるってばよ!」
ナルトは地団駄を踏んだ。
サスケとルナは門にもたれて、欠伸を飲み込んでいた。
「来ねぇな………」
「そうだな……今回の任務は、子守だったっけ?」
「ああ………子守役がギックリ腰になったとかで…泊まりがけで子守だぜ…ったく、こんな事してる場合じゃねぇってのに…」
「まあまあ………そう焦るな。サスケは自分のペースで行けばいい。」
「そうはいかねぇんだよ……俺は……………」
(このままじゃ、アイツを殺せない………)
俯いて呟くサスケに、ルナは何を言えばいいのかわからずにいると、やっとカカシがやって来た。
「やー諸君。悪かったね。迷子のお年寄りを見つけてね……」
カカシはいつも通りの嘘臭い言い訳をした。
「そうだったんですか。カカシ先生、お疲れ様です。」
カカシの言い訳を真に受けたルナは、カカシをねぎらった。
「レイ!なに信じてんだってばよ!嘘に決まってるだろ!」
「え?そうなのか…………」
「そうよ!レイ君てば、信じちゃったの?」
サクラが少し呆れたように言った。
「ははは…………」
ルナは失敗を笑って誤魔化した。
「よし!それじゃあ、出発!」
カカシが荷物をよいしょと背負い直した。
七班一行は、依頼人、もとい大名の城に向かって、木ノ葉を後にした。