第27章 新顔披露
その後、負傷者の手当てをし、死体処理を終えて手を合わせると、一行はタズナの家に帰った。
そこには、何故か再不斬と白も一緒にいた。
ルナの提案で、『まあ今回のことは水に流して仲良くしましょうや。』ということになったのだ。
その日の夕食。
「いやー、今日はいつもにも増して賑やかじゃな!」
タズナが嬉しそうに言った。
とは言っても、再不斬と白は何かを喋るでもなく、黙々と食事をしていたが。
ずっと黙っていた白が、そういえば、と言って話し出した。
「レイ君?」
「はい?何でしょう、白さん?」
ルナは目標(再不斬と白の生存、労働者の死者ゼロ)を完遂して、すっかりご機嫌だった。
「……君は、何者ですか?」
白の言葉に、ダイニングルームの空気が凍った。
みんながそれを聞きたがっていたからだ。
ルナは慌てもせずに、
「え?俺、皇レイだけど?」
と言って笑った。
(やっぱりちょっとやり過ぎたか……)
「いえ、そうではなく……君はどこで、あんな体術を身につけたんですか?」
白の言葉に全員が頷いた。
「俺でも、あんなスピードで敵を倒すなんて、難しいぞ。」
カカシがルナを横目で見ながら言った。
それを聞いてルナは、
「叩き上げです!」
と言って笑った。
それを聞いて皆が溜息を吐いた。
(やっぱりはぐらかされたか……)
夕食後、ルナは再不斬と白を、散歩に行こうと言って連れ出した。
その後を、カカシは尾行していった。
「で、再不斬さん、俺の提案を、受けてくれますか?」
「……まあ、いいだろう。今回お前には世話になったしな。」
再不斬はフン、と言いながら言った。
「わあ、ありがとうございます!それでは早速……」
ルナはそう言って再不斬と白の手を握り、神隠れの前に飛んだ。
ルナを尾行していたカカシは、話し声のする方へ近づいて行った。
「…で……さん………ます…か……」
「……ま……う……せ…しな……」
(レイと再不斬は何話してんだ?)
カカシがもう少し近くに寄ろうとしたとき、突然、三人の気配が消えた。
(何⁉︎)
カカシが三人がいたはずのところへ行っても、そこはもぬけの殻だった。