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神隠れの少女【NARUTO】

第26章 再戦


カカシ、サスケ、サクラ、ナルト、そして再不斬や白までが、ルナにさっきよりも更に驚いていた。

十一人のルナが次々とガトーの残党を肉塊に変えていく。

その目が涙で光っていたことには、誰も気がつかなかった。

(レイも影分身が使えたのか!しかも十体も………)

(速すぎて、残像すら見えないだと……)

(レイ君、何で下忍やってるのかしら……)

(レイ……マジでナニモンだ?)

(レイのヤツ……まだまだ本気じゃあねえな………)

(僕達はレイ君に情けをかけられていた、という訳ですか………)

再不斬と白は少し凹んだ。


残党が半分くらいになったとき、やっとイナリ達がやって来た。

「俺達も戦う!」

町の人達が、弩を手に橋の上に登場した。

その数は半分になったガトーの残党を、遥かに凌いでいた。


「もうやめだ!引き上げるぞ!」

ガトーの残党達は、スタコラサッサと逃げて行った。

後には夥しい数の死体が残った。


敵がいなくなると、ルナは影分身を消した。

両手が返り血で紅く彩られているルナは、転がっている大量の死体をを見て、眉を下げて困ったように笑った。

「はっははは、すみません。俺のせいでこんなに生ゴミが…………」

その両手に握られているクナイの先から、ポタリ、と血が滴った。

ルナはそれに気が付き、クナイをポケットから出したハンカチでゴシゴシと拭った。

ルナのそのあまりにもいつも通りの笑顔に、その場にいた皆がゾクリとした。


しかし、サスケだけはルナの目頭から流れた一筋の涙に気がついた。

(レイ……?何故泣いている…………?)

それは少し考えればわかることだった。

(笑ってはいるけれど、レイだって好きで殺してる訳じゃない、ってことか……………)


クナイを擦っていたルナは、自分の目から涙が溢れた事に気が付き、慌ててそれを拭った。

(涙…………?………ここ五年で、平和ボケしてたせいかな……………?

………暫くこういう修羅場とは無縁だったせいか、思ったよりダメージが大きかったな…………)

ルナは自分の弱さ、未熟さを再確認させられた。
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