第22章 木ノ葉へ、再び
イタチとルナが里を抜けてから、約五年の歳月が経った。
ルナは遂にこの時が来たと思い、ペインとイタチに話があると言って呼び出した。
「ルナ、話とは何だ?」
(嫌な予感がする……)
イタチが少し訝しげに訊いた。
「リーダー、イタチ兄さん、私が木ノ葉に潜入することを許して下さい。」
「え……」
ペインとイタチは何となくそんなことを言われる気がしていたが、やはり驚いていた。
「何故だ?」
ペインの疑問にルナは答える。
「今年、弟のサスケが下忍になります。
大蛇丸をどうにかするまで、サスケを側で守らなくてはなりません。」
(何で大蛇丸のことを知ってるんだ?)
イタチはルナが大蛇丸の暁離脱の理由を知っていたことに驚いた。
ペインはそれを聞いて納得したようだった。
「なるほど。イタチを諦めた大蛇丸が、次に狙うのは、弟ということか。
しかし、もし我ら暁と木ノ葉が衝突した時、お前はどちらに付く?」
「ご心配には及びません。私は暁を攻撃しませんし、暁の情報も喋りません。」
「そうか……ならば、そもそも暁のメンバーでは無いお前を引き止める理由は無いな。」
「みなさんには、リーダーから伝えて頂けますか?」
「わかった。」
ペインは確かに頷いた。
目の前で行われているやりとりを、イタチは呆然と見ていた。
「じゃあ、イタチ兄さん、そう言うことだから。たまに会いに来るから、心配しないで。」
ルナはアジトの出口に立っていた。
「ルナ……サスケを、頼んだ。」
イタチは沈痛な面持ちで言った。
「わかってる。大蛇丸には、サスケに指一本、触れさせない。
……あ、そうだ、イタチ兄さん、これ。」
ルナはイタチに駆け寄って、イタチの人差し指に白い指輪を嵌めた。
「……これは?」
「お守りだよ。戦うときとか、絶対外しちゃダメだからね!
……じゃ、イタチ兄さん、元気でね!」
(たまに欣喜雀躍を飛ばして、チャクラ補給しなくちゃ。)
あの指輪には、ルナの命遁チャクラが封じ込められていて、病気や怪我を自動的に治癒する、
まさに『お守り』なのだが、イタチに怪我をして欲しく無いルナは、そうは言わなかった。
ルナは五年ぶりに木ノ葉に飛んだ。