第21章 居候
「じゃあ、三人とも。イタチ兄さんが心配する前に帰るね。」
ルナは立ち上がり、少し淋しそうに言った。
「ああ、じゃあな、ルナ。また来いよ。」
シスイがそう言って、ルナにつられて立ち上がる。
「ルナ様、お気をつけて!」
李蘭は別れを惜しみ、大袈裟にも涙を流していた。
「またな。」
那由他はと言うと、顔を見られたくないのか、そっぽを向いてしまっていたが、少し寂しそうだった。
「うん。じゃあね。またすぐに来るから。」
(まあ、イタチ兄さんの許可が取れたらだけど、ね………)
三人に見送られて、ルナは暁のアジトへ、飛雷神で帰った。
「ただいまー。」
ルナはまた自分の部屋から出て言った。
「ルナ、お帰り………って、それはどうしたんだ?」
イタチはルナの銀色の髪飾りと指輪を見て言った。
「あ、これ?もらったの。手作りだって!」
ルナは嬉しそうに言った。
「そうか……」
(あの二人……いや、二匹か?……金持ちだな………ルナの故郷の復興は、成功しているのか………)
イタチはいかにも高価そうな髪飾りと指輪を見て思った。
暁の他のメンバーも、
(ルナには隠し財産でもあるのか…………?それとも、金持ちのパトロンがいるとか?
或いは大名に知り合いがいるか…………)
と変な勘繰りをした。
ペインは、
(ルナの方が暁より財力があるかもしれない………)
と思って、少し落ち込んだ。
それから数年、ルナは暁に居候ライフを満喫した。