第19章 暁
森の中では、マダラ(実はオビト)が待っていた。
その仮面はオレンジ色の渦巻になっていた。
「組織の中で俺はトビと言う名前で呼ばれている。暁の見習い小僧と言ったところだ。
お前も今後そう接しろ。その子には俺の正体は教えるな。」
マダラ(実はオビト)はイタチの背で眠っているルナを横目で見て言った。
「何故正体を隠す?」
「うちはマダラが生きていると知られたら色々面倒だからな。
これから会わせる暁のリーダーは俺の正体を知っている。」
そしてマダラ(実はオビト)とイタチは、暁のメンバーが集まっているところまで移動した。
イタチの背では、ルナがスヤスヤと眠っていた。
「あらイタチ君じゃない。お久しぶり………ん?その子は…?」
「大蛇丸さん………妹のルナです。」
「そう………って、ルナって、あの……………」
何かを言いかけた大蛇丸をトビ(実はオビト)が例のトビ声で遮った。
「ああ、お二人は同郷でしたね。懐かしの再会っすか!」
イタチはその変わりように少し面食らった。
「噂は聞いたわ。やっぱり貴方も、こちら側の人間だったのね。」
大蛇丸がオネエ口調で言う。
「こちら側?」
「里とか一族とか、そう言う縛りを邪魔だと思う忍よ。」
イタチはそうじゃないと言うことが出来ずに、俯いた。
赤々と燃える炎を前に、暁のリーダー、ペインが言う。
「暁の目指すものは忍の世の真の平和だ。忍五大国に変わり暁が世界を支配する。」
「大きな望みだな。」
イタチは無表情で返す。
「その為に里も経歴も問わず、優秀な忍を集めている。
木ノ葉のイタチ、暁はお前を歓迎する。今より木ノ葉を否定しろ。」
イタチの影分身は本体の額当てに、抜け忍であることを示す傷を入れた。
「これよりお前は暁のイタチだ。世界に痛みを…………」
ペインはそう言って、『朱』と書いてある指輪を渡した。