第17章 惨劇前夜、儚い平穏
あれから数ヶ月。
ルナはイタチと一緒に、暗部を続けていた。
だがそれも、今日までのようだ。
「ルナ、火影様がお呼びだ。」
「わかりました。この後向かいます。」
任務の終了後、カカシに言われて、火影邸に向かった。
「火影様、ルナです。参りました。」
「ご苦労。一対一で話すのは六年ぶりじゃのお。大きくなって。」
「はい、お陰様で。」
「七歳から暗部…ご苦労じゃった。ところで、本題に入ろうかの。
…………………ルナ、お前は明日から、分隊長じゃ。」
「…………へっ?」
(マジか〜!イタチ兄さんはどうなる?)
「イタチ兄さんは…?」
「イタチも分隊長になる。」
(あ、なーんだ。)
原作とずれていなかったことに、ルナは安堵した。
「それより、ルナの班は、ルナ一人、ということになったんじゃが………」
「………はい?ちょっと良く分からないんですけど。」
(それ班て言わなくね…………?)
ルナはメチャクチャなことを言うヒルゼンに、心の中でツッコミを入れた。
「ルナなら一人で大抵の任務はこなせる、という里の上層部の推薦があってな…………」
「はあ……」
(恐らくダンゾウか……ふざけんなよお!)
この事態を起こした犯人に容易に想像がついて、ルナは頭の中で悪態をついた。
「大丈夫かの?」
火影がルナに確認してきた。
(うーん、考えてみれば、これで今まで人目を気にして使えなかった忍術使い放題………?
………どうせ暗殺ばっかだし。ならいっか。)
「大丈夫です。是非やらせて下さい!」
思考を切り替えたルナは、快諾した。
「では、失礼します。」
「明日からは極秘任務をこなすことになる。気をつけて行かれよ。」
ガチャ
「あ、イタチ兄さん。」
「ルナ。」
火影室のドアを開けると、イタチがいた。
「イタチ兄さんも呼ばれてるの?」
「ああ。」
「じゃ、ここで待ってる。私のことは気にしないで。」
「…………ありがとう。」
イタチはルナと入れ替わりで火影室に入って行った。