第15章 暗部の任務
「さらにさらに…………
輪墓・辺獄!」
もう一体の影分身が言ったことを聞いて、ルナは急いで神通眼を開いた。
(なんでマダラの万華鏡写輪眼の能力使えるの⁉︎那由他、何者……?)
ルナは頭に浮かんだ疑問を取り敢えず置いておいて、臨戦態勢になった。
すると、ちょうど平行世界のルナが、この世界のルナの本体に飛び蹴りをくらわそうとしているところだった。
ルナは自分のスピードに辟易したが、辛くもかわした。
「うーん、流石本体!」
影分身は腕組みをして、うんうんと頷いた。
「ちょ、私の魂で私に攻撃するなー!」
ルナは自分の影分身にムキーっと怒った。
「いいじゃんいいじゃん。避けられたし。」
影分身はニシシと笑っていて、反省の色は皆無だった。
「もー……はぁ……」
ルナは呆れて溜息を吐いた。
「どうだルナ、一週間でこの成長!俺の特訓の成果だぜ!」
那由他が胸を張って言う。
「うん、そうだね。那由他、ありがとう!影分身さん達も!」
ルナは気を取り直して、礼を言った。
「自分に敬語使わなくて良いよ!他にも色々教わったから、後で試してみて!じゃ、またね!」
そう言ってその場にいた千体は消えた。
膨大な情報が流れ込んで来て、ルナは少し混乱したが、すぐに全てを理解した。
が、何故那由他がマダラの万華鏡写輪眼の能力を使えるのかは、不明のままだった。
「ふー、那由他、お疲れ!じゃ、帰ろっか。」
ルナの言葉を合図に、ルナと猫に変化した那由他は、李蘭の背中に乗って木ノ葉に帰還した。