第15章 暗部の任務
今日は任務の日だった。
ルナとイタチが出勤しようとしている頃、火影室ではヒルゼンとダンゾウとカカシで、打ち合わせが行われていた。
「公式に小隊を派遣する。だが別の隊を非公式に派遣する。
表向きは平和外交だ。般若衆と情報の交換を行う。」
ヒルゼンが淡々と説明する。
「だがこれは罠だと踏んでおる。もし攻撃を仕掛けてきたら…」
ダンゾウはその先は暗黙の了解だとでも言うように、言葉を切った。
「お前には資質がある。闇という資質がな。」
そしてカカシに向かって、中二臭いことを涼しい顔で言った。
出勤すると、ルナとイタチは、移動しながら今日の任務についてカカシから説明された。
ルナはこの任務では特に木ノ葉から死者が出たという記憶がないので、割とリラックスしていた。
流石に、巻物に仕掛けをしてガイを危険に晒した般若衆を助ける気は無かった。
人の命を奪おうとするものは、奪われることも覚悟すべき、と言うのがルナの考えだった。
「知っているのは上層部と任務を受けた俺達だけだ。」
カカシは、青春の熱き炎を燃やしてレッツゴー!とか言っているガイを見下ろしながら言った。
それをルナとイタチは無言で聞いていた。
(ガイ先生…暑苦しい…苦手…)
遠くから見ていてもわかるガイの暑苦しさに、ルナは辟易した。
カカシはいつもの狐の面を被り、任務開始を告げた。
暫くガイの小隊の尾行が続いた。
そのうち、ガイの班は野営を始めた。
例の一生下忍の爺さんが、背負っていた大鍋で料理を作って振舞っていた。
ガイの班は、何故か中忍の体脂肪率が高めだった。
「俺達も補給しておこう。」
カカシはそう言って、兵糧丸を取り出した。
それを聞いて、イタチとルナも兵糧丸を取り出した。
だが、ルナが取り出したのはそれだけではなかった。