第14章 暗部入隊
それから数ヶ月。
半年程前にイタチとマンセルを組んで中忍試験に合格したルナは、今度は一緒に暗部に入隊することになった。
「…じゃあ、イタチ兄さん、行こうか。」
「……………ああ。」
イタチは少し暗い面持ちで言った。
最近、イタチはどんどん元気を失くしていき、ルナの焦りは加速していた。
ルナはこの世界での自分の存在意義に疑問を持ち始めていた。
イタチ一人を救えずに、計画を完遂できるのだろうか、と。
コンコン、ガチャ
「…………今日から暗部に所属することになったうちはイタチです。よろしくお願いします。」
「同じく、今日から暗部に配属されたうちはルナです。よろしくお願いします。」
二人が挨拶すると、数人の暗部がひそひそしだした。
「………イタチ兄さん、行こう。」
ルナはイタチの手を引っ張って、ロッカールームの奥に連れて行った。
「イタチ兄さん、一番端、使いなよ。」
「……ありがとう……そう言えばルナ、お前のロッカールームは別じゃないのか?」
「いや、まだ七歳だし、良いかなーって…」
「そうか……」
「さ、早く準備して集合場所に行こう?」
「……そうだな。」
イタチはやっぱり暗い顔で言った。
(この様子だと、もう里とうちはの二重スパイになってるな………)
うちは一族襲撃事件を思って、ルナも暗い顔になった。
それから二人で暗部の制服に着替えたが、暗部の制服はノースリーブで、ちょっと寒かった。
そのせいか、イタチは半袖のシャツを下に着ていた。
イタチは狐の面、ルナは猫の面を被った。