第12章 帰郷
しばらく放心した後、ルナは更に疑問をぶつけてみた。
「あとさ、どうして神隠れには塵一つ落ちてないの?」
ルナはここに来るまでのあいだ、廃棄物や塵芥の類を、全く目にしていなかった。
「それは、私と那由他の影分身が、定期的に清掃と補修を行なっているからです。」
「そっか、気がつかなかった。あとさ、この里って結界が張ってあるよね?」
ルナは矢継ぎ早に質問する。
「その通りです。神通眼を持つ者以外が通過するには、通行許可証が必要です。」
「ふうん、どういう通行許可証なの?」
「人間の肉体に、命遁のチャクラで術式を刻み込むのです。」
「そう。やり方、私にも教えてくれる?」
ルナの脳内には、ある計画があった。
そのために、神隠れの敷地は絶対に必要だった。
「わかりました。でもそれは、木ノ葉に帰ってからにしませんか?」
気づくと、もう夜が明けかかっていた。
「いっけない、李蘭、早く帰らなくちゃ!」
「そうでしょう、急ぎますよ!」
(聞きたいことはまだまだあるけど、またの機会にしよう。)
ルナはいくつかの質問を飲み込んだ。
ルナと那由他を乗せた李蘭は、猛スピードで木ノ葉に帰還した。
「なんとか間に合ったー!」
ルナは誰も起きていないのを確認し、布団に潜り込んで仮眠をとった。