第10章 下忍の任務
ボケッとしてるテンマとシンコに、ルナは大雑把に状況を説明した。
勿論死んだふりのことは内緒だが………
「えーっと、つまり、あの仮面はいなくなって、怪我人は全員ルナちゃんが治療した?ってことか?」
テンマが首を傾げながら言う。
「そうだよ。ほら、任務任務!」
「えぇ……」
ルナが急かしても、二人はなかなか動いてくれない。
「ほーらー、はーやーくっ!」
「ルナちゃん、凄すぎ……」
二人は何故か遠い目でルナを見つめて言った。
ルナは段々、何が自分の任務かわからなくなってきた。
カカシは自分の役目は無くなったと悟ったのか、いつの間にかいなくなっていた。
呆然としているテンマとシンコを動かすのに、ルナはとても苦労した。
それから何とか二人を動かして、依頼された任務のほうも完遂した。
(にゃはははは!めでたしめでたし!)
カカシは救出に来たものの、ルナの活躍で御役御免になり、一足先に木の葉へ向かっていた。
(あの子は確かに、三年前のあの子だ。もう下忍になっているとは。本当はまだ四歳の筈だが……
飛び級ということか。まだ卒業したてだろう、最年少記録更新だな。
しかも、影分身を十体も出した上に、医療忍術を使った。
…………面白い。俺の部下になるかもしれない。
あの子に暗部が向いているかは知らないが。)
カカシはルナについて取り留めもないことを考え、唇にうっすら笑みを浮かべた。
木ノ葉についたときには、もう気にしていなかったが。