第4章 dream
家に帰って、母に頭を下げた
ただ、産ませて下さいと
お母さんは、「やっぱな。が、守りや。お母さんは、を守るから」
泣いた
母とは、なんて偉大なんや
あたしもそんな母親になれるんやろか?
それから、数週間後―
あたしは、宝物を亡くした
急に悪阻が無くなり、病院に行ったら
心拍が確認出来んかった
泣いた
泣いて
泣いて
ずっと泣いた
手術をして、供養もした
男の子やったみたい
名前も付けて供養した
心のキズは、何をしても癒すことは出来んかった
だから、仕事に没頭した
それでも、涙が溢れて苦しかった
あたしは、忠義と待ち合わせした歩道橋に行った
人がいっぱい通るから気がまぎれるかもしれんと思って
仕事終わりに行った
そこには、忠義が一人で立ってた
誰かと待ち合わせかな・・・
そう思いつつ、歩いて来た道を引き返した
ちょっと歩いて
あたしの名前を呼ぶ声が聞こえた
振り返ったら、忠義が居てた
忠義「・・・」
『うん・・・久しぶり・・・』
忠義「どうしたん?まだ冷えるし、そんな格好で・・・」
ヒール高めの靴にスカートを履いてた
『いけるねん。ちょっと色々あって・・・』
忠義「え?おろしたん?おろせって言われたん?俺、そいつ・・・」
『ちゃうねん。お腹の中で死んじゃった・・・』
あたしは、泣いた
家以外で泣かへんって決めてたのに
涙がポロポロと零れ落ちた