第1章 この世界には僕と君だけ 〜沖田総司編〜
あの時、僕はその場から立ち去った
今は日も沈み暗い部屋で布団に潜り込んでいる
ギシッ
部屋に近づいてくる足音
おそらくだ。
「沖田さん、入りますよ」
やっぱりだ。
僕は布団から起き上がった
「あっ、沖田さん!ちゃんと寝ててください!」
彼女は僕に布団をかけ直して作った夕食をを見せた
「見てください!美味しそうな野菜じゃありませんか?」
彼女は蓋を開けて湯気の出た野菜の雑炊を見て笑顔になる
愛おしいと思った。
「うん、美味しそうだね、何処で買ったの?」
思わずその笑顔を見ると微笑まずにはいられなくて、笑顔がこぼれた
「はいっ!これはですね、近くの八百屋さんで買ったんですよ!たくさんオマケしてもらっちゃいました!」
彼女はとても、無邪気に笑った
「屯所まで持ってこれたの?言えば手伝ったのに」
でも、次の瞬間。聞きたくない人の名前が
「でも、原田さんと行ったので半分持ってくれたんですよ!」
また左之さん……どうして僕じゃないの?なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで