第6章 左眼の隻眼
「な…なに…言ってるの」
私の手が小刻みに増えるえた。
予想が…当たってしまった…。
「俺らが気づいてねぇとでも思ってたのか?ばっかじゃねぇの」
私は…頭を抱えてまた涙を流した。
「もう…やなのっ!!!私は…喰種じゃない…。隻眼じゃないっ!!お母さんだって…人間だものッ」
「でも父親は何人もの人を喰い殺した喰種だろ」
私の言葉を遮るようにして現実が突きつけられた。
「喰っても…殺すことなんてなかったよッ!!殺したことはないって言ってたッ!!」
開き直るようにして必死で逆らった。
それが全て打ち砕かれることも知らずに…。
「…そうか…。アオギリに来い」
「はぁ?!何言ってんの?!」
「いいから!!見せてやるモンがある。
それを見てから逃げるなら逃げろつってんだ」
絢都君にはまったく似合わないが手を差し出してくれた。
嫌そうな顔ではあったがやっぱり優しさの欠片もない生き物は生息しないようだ。
私はその手にそっと触れるようにして手を乗せた。
その手は雨のせいかとても冷たくて筋肉や肉よりも骨のゴツゴツした感じが勝っていた。
「わかった」