第2章 有終の美を貴女に 2
某日 午前7時半
彼女は私の家の前に...知るはずの無い私の家の前で私に挨拶をしたのだ。
無論、住所は教えていない。一緒に帰った訳でもない。
なら彼女は何故何食わない顔でここにいるのだろう?
「住所なんて調べればいいじゃないの。」
それが彼女の弁解だった。
これは後に分かったことだが、彼女はどうやら学園長の愛娘...らしい。
らしい、というのは私が調べた訳では無いからだ。
偶然耳に入った...というだけである。
ああ、それなら分かる...という訳にも行かない。
なにせ個人情報、プライバシーの問題だ。
――そうして、彼女が次に出してきたものが"1週間の恋人"である。
閑話休題
本を読み終え、机の上に積まれた上にそれを置くと、寝ていたはずの雅が突然起き上がってきた。
「終わったのね!じゃあ私とお話を」
「次を読むから、静かにしていて。」
まだ3冊目なんだから、と言うと、文句を言いたそうな顔で机に頬杖をついた。
こうして黙ってさえいれば、つらつらと御世辞でもない賞賛の言葉が思いつくのだが。
遠くを見つめる顔は月下美人のように儚げだし、肌はきめ細かいし、長い髪も艶が光に煌めき、美しく淡い光を放っている。
...しかし、口を開けば「構って」だの「お話して」だのとばかりだ。
たった2日しかまともな会話をしていない私でも、それは一目瞭然だった。