第6章 有終の美を貴女に 6
「...は?」
一瞬だった
そこには、嬉しそうな顔を浮かべた彼女
そして、呆けた顔の、私が居た
「...ふふ、奪っちゃった?」
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってよ!!ちょっとキスしただけじゃない!!」
「そんなに大きな声で言わないでください!!」
「キス!口付け!接吻!!」
「五月蝿いって言ってるでしょう!?」
その場から逃げるようにして立ち去ろうとすると、彼女が腕を掴んでくる
その腕を振りほどこうとするが、思ってよりも力が強く、振りほどけない
仕方がなく、その場に立ち止まる
「...何のつもりなんですか、一体」
一時の静寂を切り裂くように、私の口から、次々と言葉が零れていった