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【黒バス/HQ】アイシテルの続き

第15章 黒尾鉄朗 【R18】



「そーいえば……明日の会議って何時から、だっけ?」

「唐突だねぇ、相変わらず」と首筋に舌を這わせながら、力強い律動をはじめる背中が猫のようにしなやかに反る。

きまぐれで、したたかで、でも甘え上手な猫の名は黒尾鉄朗。

見た目よりもやわらかな黒髪に指を差しこむと、結は最奥をこじあけるように抽迭をくりかえす昂りを、ありったけの力で絞めあげた。

「く…­…っ­」

かすかに漏れる声にほんの少しの優越感。

「だって部長が……何回も時間を変更する、から……ア、っん」

「そう、だな……最終的には確か10時ってことに、ハっ……なったんじゃなかったか?」

顔の両側に手をついて、観察するように見下ろしてくる男を睨みつけながら、たった数回のセックスで弱点を把握した突き上げに、つい腰が揺れる。

「そこ……っ、ダメだっていつも言って、ン、あ」

「オマエの駄目は『イイ』の間違いだって、何度言わせたら気がすむんだよ」

ホント意地っ張りだな、と牙を剥く唇に嬌声ごと奪われながら、結は口内で暴れる舌に負けじと舌を絡めた。

このまま溶けてひとつになってしまえたら

そんな言葉は私には──私達には必要ないってことぐらい分かっている。

ふたりの関係は、会社の同僚というありふれたワードでしかないのだから。





それは、ただの同僚から気の置けない友人に、そして飲み友達という関係に落ち着ついたかに見えたある日の夜だった。

『黒尾って今、カノジョいんの?』

『そーいうオマエはどうなんだよ』

まさに売り言葉に買い言葉。

酔った勢いでなだれ込んだラブホテルで重ねた身体は想像していたよりもたくましく、そして思いのほか優しかった。





溢れる唾液が口の端からこぼれるのも構わずに、貪るようなキスを交わし、いつものように気まぐれに入ったホテルのベッドの上で、ポールポジションを奪い合い、転がる。

「黒、尾……っ、もっと、シて」

「ハ、そのセリフ……忘れんな、よ」

カラダだけの関係でいい。

これ以上は何も望まないから、こんなにも貴方に溺れていることを忘れるくらい滅茶苦茶にして。

「あぁ、やだ、ンっ……イイ」

「どっち、だよ。それ」

こぼれる本音をやんわりと指摘され、下唇を噛みしめた時、束の間の情事に水をさす電話の音が枕元で鳴り響いた。





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