学園は溺愛の箱庭(ONE PIECE長編学園パロ夢・番外編)
第1章 10/31の文化祭(*)
「っっ…!?」
刹那、窓の外には大輪の花が咲いた
明るく照らされた室内で、ローは思わず口元を手で覆う
その顔は耳まで真っ赤に染まっていた
気付いているのかいないのか、さらにセナは続ける
「…表彰のときにね、生徒会長をしてるローが…私の知らないローみたいだったから」
扉の前で立ち尽くすローの元へ近づき、覆っていない手を握って頬をすり寄せた
ぼんやりと浮かんで見える表情はどこか寂し気で儚い
「…不安にさせたなら、悪ィ」
「ううん。私が勝手に不安になっただけ…でもね私は生徒会長としてローに相手にされることは少ないけど、生徒会長をしているローの側に居られるんだから、これってすごく幸せよね!」
頬に添えるように握られた手に甘えるようにすり寄る姿が、たまらなく愛おしい
口元を覆っていた手を反対の頬に添えて、噛みつくように口付ける
「んンッ、ふぅ」
「っは…ッ」
言葉も呼吸さえも奪うような激しい口付けに、頭がクラクラしてしまう
ようやく唇が離れた頃には、お互いに肩を上下させて酸素を求めた
「は、ぁ…っいきなり、なんだから」
「煽ったテメェが悪い。キスだけで抑えただけマシと思え」
「もぉ…大事なこと言いそびれたじゃない」
「大事なこと?」
顔を隠したいのかそう言ってローにいきなり抱き着くセナ
触れる部分が熱いのは、吐息か上昇した体温か
「どんなローでも、大好き」
「……とんだ殺し文句だな」
「生殺し?」
「分かってんなら離れねェと、押し倒すぞ」
「あ、」
「あ?」
「Trick me and I'll treat you!」
「フッ、菓子なんざいらねェよ」
「折角ハロウィンらしいこと言ったのに」
「遅ェだろ」
「まだ日付変わってないからね?」
「なら、」
ローは荷物を素早く手に取り、セナの腕を掴むと生徒会室を出て施錠をし、走り出した
「なんで走るの?」
「イタズラしてほしいんだろ?まぁ交換条件は菓子じゃなく、」
「じゃなく?」
「お前の全て、俺に寄越せ」
「…もう全部ローのものだよ…」
自分の言葉で真っ赤に染まった顔をローは満足げに見つめ、セナを抱え上げると帰路を急ぐ
Trick me and I'll treat you!
【イタズラをしてちょうだい、そうすればお菓子をあげる!】
END