学園は溺愛の箱庭(ONE PIECE長編学園パロ夢・番外編)
第4章 姫始めは初詣のあとで(*)
身体を重ねて年を跨いで、夜が明けた
本来1人分のスペースしかないシングルベッドに、ローとセナは身を寄せ合い眠っている
「ん、」
逞しい腕に乗せられた小さな栗色の頭が、もぞりと動いた
ピクリと長い睫毛が震えると、ゆっくりと瞼が持ち上がる
目の前には、愛しい人の寝顔があった
気怠い身体をどうにか動かして、彼の頰にソッと触れる
「ロー」
触れたまま名前を呼ぶと、一瞬瞼が震えはしたが起きる気配はない
一度枕元の時計に視線を向ければ、日は完全に昇っている時刻
窓から射し込む光が、全身に刻まれた昨夜の激しい情交の跡を照らす
恥ずかしさもあるが、セナの胸には愛おしさが溢れていた
新しい年の節目、最愛の人と共に過ごせるということは何て幸せなことだろう
だから普段は決して出来ないことも、出来る気がした
規則的な寝息を立てるローに顔を寄せ、啄ばむように口付ける
それでも彼は目覚めない
「んー…」
普段は眠りの浅いローが、一向に起きる気配がないのは珍しく…ただ普通に起こすのではつまらない気がしてきた
少々考えあぐねて、ふとセナは布団の中に姿を消す
薄暗がりを手探りで下降して、目的に辿り着いた
『やっぱり本当なんだ…!』
ローと知り合ってから、知識を得るために情報を探っていた際見かけたことがある
指先に触れた感触と暗がりに慣れてきた目が、ハッキリと捉えた男性特有の生理現象。いわゆる"朝勃ち"というもの
性的興奮や自意識で起こるものではなく、眠りのメカニズム的に自然と起こるものらしい
昨夜はお互い生まれたままの姿で眠りに就いたので、実に容易く確認することができた
軽く触れた指先で数回上下に擦り上げると、ムクムクと硬度をさらに増す
「起きる、かな?」
新年早々イケナイことをしている気分で、変にドキドキしてしまった
何度か擦り上げていると、先端に先走りが滲みはじめたので舌をあてがう
そのまま口内に迎え入れて、頭を上下させたり舌を這わせたりと奉仕を続けてみた
「ん、ぅ…ふッ」
口内で感じるロー自身に、鼻から甘い吐息が抜ける
喉奥を突かれて眦にうっすら涙が浮かぶ
一度呼吸を整えるために唇を離した瞬間、腕を引かれ身体が元の位置に戻った
するとほんのり頰を染めて眉を寄せた不機嫌そうなローと目が合う
「寝込みを襲うとは、いい度胸だな」