第1章 Sunshine
―4月―
んぅ、ん~っ。
軽く伸びをしてから、カーテンを開ける。
「おはよう」
太陽に挨拶。
俺の朝起きてからの日課。
わかってるよ?他人から見たら、ちょっとイタイやつ。ってことは。
でも、そんなことはどうでもいい。
今日から、社会人だ。
やっと、あの人に追いついた。
憧れのあの人に。
―コンコンコンッ
「はーい。起きてるよ?」
ドアに向かって声をかける。
カギはかけてない。
いつでも出入りできるようにしてある。
なのに、いつもノックしてくるんだよなー。
ドアをゆっくりと開けて、あの人が顔をだす。
うん。
今日も朝からイケメンだ。
翔「おはよう。飯出来てるからさっさと食えって。あ、それと、母さんが式には出れなくなったってさ」
「ふうん。そっか。もう学生じゃないから、出なくていいって言ってたのに出る気だったんだ、母さん。まったくもう…、早く子離れしろよなー」
翔くんが俺の頭を撫でながらふわりと笑う。
「はは。そんなこと母さんには言うなよ?」
あ、俺の好きな顔だあ。
「わかってるよっ」
口を尖らせて、拗ねたフリをする。