第6章 黄瀬くん登場
火神 side
『………っ…たいが…』
俺の名前を呼びながら泣く凛
大我「どうしたんだ凛!!」
凛に聞くと、俺に抱き着こうとするがすぐに腕を引っ込めた
『…っ…たいが…』
弱々しく俺の名前だけ呼び、手を伸ばすが再び降ろした
大我「大丈夫だ…凛…」
抱き締めるとビクリと身体を震わせて凛は顔を上げた
酷く不安定で消えてしまいそう
この手を離せば幻の様に儚く消えてしまう
そう感じた俺は強く凛を抱き締めた
『大我…ごめんなさい…』
少し震えながら俺の服の裾を掴み弱々しく謝った
大我「凛…『大我…ありがとう』」
そう言って凛は立ち上がり、小さく笑いかけてきた
何も言ってくれない凛に歯痒さがあるが、それに気づかれないように俺も笑った
火神 side終