第17章 少女の過去
ピッ…ピッ…と電子音が聞こえてきた
薄らと目を開けると、看護師さんが居た
「目が覚めた?」
『ここ…は…』
あちこちに巻かれた包帯
「病院よ。先生呼んでくるわね」
『びょ……いん…』
死んでない…死ねなかった…
その事実が突き刺さり、涙が止まらない
「雨月さん大丈夫ですか?」
『…んで…』
「はい?」
『なんで私を生かしたんですか!?なんで殺してくれなかったんですか!?』
私の剣幕に驚きを隠せない医者達
『なんで私は生きてるんですか!?』
「雨月さん落ち着いて下さい!」
「早く安定剤を…!」
「急げ!」
そんな声を何処かぼんやりと聞いていた
そしてそのまま退院は出来ず、帝光中は幕を閉じた
きっとみんな才能を開花させてしまった
バスケの楽しみやチームの大切さなんか忘れて…
『止めたか…った…なぁ…っ』
叶わぬ願いでも、止めたかった。ボロボロと流れる涙はそのままで、みんなと開いてしまった溝もそのままの状態では無理だ