第34章 ウィンターカップ〜陽泉VS誠凛〜
氷室「分かってるよ…分かってるよ、そんなことは…。ずっとアイツの才能に嫉妬してきたんだからな。なのに…俺が喉から手が出るほど欲しているものを持ってるお前が、あっさり勝負を投げようとしている…」
氷室の声は震えている
そしてポタリと一粒の滴が殴られて赤みがさしてる紫原の頬に落ちた
氷室「怒りで気が変になるぜ…。いい加減…」
泣きながら微笑む氷室は誰が見ても痛々しい
紫原「うわー…引くわ…。そういうの心底ウザい。てか有り得ないわ、泣くとか。何となく気付いてはいたけど、ここまでとは思ってなかったよ。つか初めてだよ。ウザすぎて…逆にスゲーと思うのは…」
その言葉に氷室は目を見開く
紫原「しょうがないから最後までコートにはいてやるよ」
驚く全員をよそ目に、紫原はゆっくりと立ち上がる