第16章 貴方が幸せになるなら【野崎梅太郎】
御子柴「オイお前ら!」
千代「みっ…みこりんっ!?」
御子柴「お前ら人がいるのにイチャイチャすんな!
夏希が恥ずかしくて入れなかったんだぞ!?」
私は、耳まで真っ赤にして俯いていたので、恥ずかしがっていると勘違いされてもおかしくはなかった。
千代「夏希ちゃんまでっ…!?
ご、ごめんね!」
野崎「ご、ごめんなさい。」
二人は、そそくさと距離を取った。
御子柴「無理すんなよ。」
夏希「……ハイ」
私達は小声で会話をした。
千代先輩と野崎先輩は、決心をしたかの様に立ち上がり、
私達に言った。
千代「みこりん、夏希ちゃん。」
野崎「実は俺達、付き合っているんだ。」
夏希「ーーーーッッ」
また涙が溢れそうになる。
それを必死に堪えた。
聞きたくなかった言葉が、連続して出てくる。
御子柴「お前ら…もう分かったから。帰るぞ、夏希。」
御子柴先輩は私を引っ張って外へ連れ出した。
御子柴「…よくなかないで耐えたな。」
御子柴先輩は、私を撫でてくれた。
夏希「…………ハイ。」
私は、"ハイ"としか言えなかった。
ーー神様、私は、この恋を諦めなくてはいけないのですね。
貴方が、幸せになるなら。
それから、私達は話すことなく帰り、
次の日から、私はアシスタントも行かなくなり、
少しずつ私達の距離が離れていった。
さよなら、私の初恋