第16章 貴方が幸せになるなら【野崎梅太郎】
私は、仲良くなるにつれ、分かったことがたくさんあった。
ーーーー嫌な事だって、分かってしまった。
それは、千代先輩と野崎先輩が友達以上の関係だと言うこと。
私の恋は、ここで叶わぬものとなってしまった。
だが認めたくなくて、
"恋人"だとは決して言わなかった。
御子柴先輩も、そう言ってくれた。
夏希「友達以上の関係だったんですね、千代先輩と野崎先輩は。」
御子柴「まあな。
俺も詳しい事は分からないけどな…。」
夏希「そうですよねー。」
ここは、野崎先輩の家。
今日も私は野崎先輩の家でアシスタントをしていた。
…御子柴先輩に、相談しながら。
野崎「佐倉。ここも頼む。」
千代「はーい!」
夏希「こうしてみると、もう、恋人以上みたいに見えます…。」
そう考えると、
自然と涙が溢れそうになった。
御子柴「あんま深く考えんなよ。」
御子柴先輩は、いつも私を気遣ってくれる。
その優しさが、逆に泣きそうになる。
夏希「ちょっと、御手洗い借ります。」
私は、その場から逃げるように去った。