第16章 貴方が幸せになるなら【野崎梅太郎】
千代「描きたいものあったら言ってね!」
と言って、
私達は校内散策を始めた。
少しうろうろしていると、千代先輩が声を上げた。
千代「野崎君!」
千代先輩が声を上げた方へ向くと、
私の中の時間が止まった。
野崎「おぉ、佐倉。…ん?初めて見るな」
夏希「えと…」
千代「あ、この子は一年生の黒川夏希ちゃんだよ~!」
野崎「黒川か。俺は野崎だ。よろしくな。」
夏希「ハイ、よろしくお願いします!」
私は、きっとこの人に一目惚れした。
その日を境に、私は野崎先輩と千代先輩と急激に仲良くなった。
そして、私の野崎先輩へ向けるこの感情もーーー。
仲良くなってから少し、野崎先輩が少女漫画家だと言う事も知った。
アシスタントがしたいと言うと、快く承諾してくれた。
美術部で背景をよく描いている私は、
背景担当となった。
その職場で、御子柴先輩とも仲良くなった。
御子柴先輩は、私が野崎先輩を好きだと見破り、そのまま私の恋愛相談を聞いてくれた。
私は、片思いだったけれど、この時間が幸せだったーーー。