第14章 ヴァンパイア【堀政行】
夏希「ーーーーーッッ!」
豹変した堀ちゃんの姿を見て、私は絶句した。
なぜなら、
堀ちゃんの八重歯が鋭く尖っていて、長かったから。
そして、瞳の色が真っ赤に染まっていたから。
夏希「堀ちゃん…?」
堀「どうだ?夏希…。怖いか…?
一応伝えておくが、俺はヴァンパイアだ。」
夏希「なッーー!」
ヴァンパイアなど、架空の存在だと思っていた。
堀「怖いか…?
嫌いになったよな」
夏希「じ、じゃあ、苦しんでたのは、」
堀「血が、足りなかったからだ」
堀ちゃんは、まだ苦しそうな顔をしていた。
夏希「そんな…」
堀「やっぱり、嫌いになっただろ。」
堀ちゃんは、冷たい眼差しで私を見た。
でも、私はー…。
夏希「堀ちゃんの、バカッ!」
私は、堀ちゃんの両頬を私の両手でバシッと挟み、
軽い口づけをした。