第14章 ヴァンパイア【堀政行】
2時限目の終わりに、堀ちゃんは普段行かない屋上に行ったので、私達は尾行した。
屋上につながるドアの前から様子を見ると、
すごく辛そうだった。
夏希「…やっぱり、なんかあったのかな。」
鹿島「そうとしか考えられませんね…」
そう話していると、突然堀ちゃんが苦しみ出した。
堀「ヴッ…ゲホッ、ゲホ…!」
あまりにも苦しそうで、見るのに耐えられなくなった私は、鹿島君に先教室戻っといて、と伝え、一目散に堀ちゃんの元へ駆け寄った。
夏希「堀ちゃんッッ!!」
堀「なっ…!夏希…!?」
夏希「やっぱり、何か隠してるよね!説明して…!」
堀「何でッ…ゲホゲホッ…!」
夏希「何でも何も、私は堀ちゃんの彼女だから、大好きな彼氏が苦しんでるのにほっとく訳ないでしょっ!」
そこまで言うと、
堀ちゃんは諦めた様にフェンスにもたれ掛かった。
堀「お前、後悔するぞ。」
夏希「良いよ、だって、私は堀ちゃんの彼女だからッ!」
堀ちゃんは切なそうに微笑むと、
朝から着けていたマスクと、
目に着けていたコンタクトレンズを取った。