第14章 ヴァンパイア【堀政行】
鹿島「…おかしいですよね。」
夏希「…うん、おかしいね。」
私達は、回りから見てもわかるくらいの険しい顔で審議していた。
夏希「堀ちゃんが、風邪じゃないのに息切れしてるし…」
鹿島「堀先輩と遊ぼうとしても断られました…」
夏希「なんかあるね…。」
鹿島「なんかありますね…。」
何故、私達がこのような話をしているのかと言うと、
時は2時間前ー…。
夏希「堀ちゃん!おはよー!!」
堀「あ、あぁ…おはよう…。」
堀ちゃんは、青白い顔で、しかも息切れしていた。
夏希「風邪でも引いたの?」
と額を触るも、
どうも冷たい。
しかも、こんな真冬に日陰を通っている。
夏希「どったの?堀ちゃん。」
堀「いや、なんでもねぇ。
あと、今日は俺に近付かない方がいいぞ…。」
とだけ言って堀ちゃんはいなくなってしまった。
その後の朝部活、私は美術部だったため、鹿島君に様子を見てもらうよう言ったら、鹿島君も様子が変だと気付いた様だった。
鹿島「私は、夏希先輩と堀先輩が今日二人で登校しているのを見て、部活の時にそれを言ったんですよ。
いつもなら、そこでタックルでも何でも決めて来る筈なんですけど…何もしてきませんでした。」
鹿島君はがっくりと項垂れた。
夏希「こうなったら、意地でも堀ちゃんに何があったのか探ろう。」
鹿島「はい!」