第12章 耳と尻尾【瀬尾遼介編】
楽しく接客をしていると、
4番テーブルのベルがなり、
そこへ向かった。
そこには、
いかにもチャラチャラしている男性の方々がいた。
男「やっぱ可愛いね~オネーサン!」
そう言われた時、
ゾクッと悪寒がした。
夏希「ご注文は…。」
早くここを離れたくて、少し急かすが、男の絡みは止まらなかった。
男「注文~?オネーサンかな!」
と言ってゲラゲラと笑う男に、余計怖くなった私は、
その場から立ち去ろうとするが、
男は私の腕を掴んだ。
男「オネーサンいくつ?
連絡先教えてよ~」
夏希「あの、他のお客様のご迷惑になるので、そういうのはちょっと…。」
他のお客様も、少し迷惑そうにしているので、注意をするが、男はずっと絡んできた。
夏希「(うぅ、やだよぉ…。)」
心の中でメソメソしていると、
愛しい人の声が聞こえた。
遼介「おーい夏希!このケーキ運んでくれー!」
夏希「遼…介!」
私は、男に失礼しますとだけ言って、
遼介の元へ行った。
男「え、おい、ちょっと…」
私を引き留めようと腕を伸そうとしたようだが、それは先輩によって阻止された。
先輩2「どうかなさいましたか?お客様。何か有りましたら、この私が聞きますが。」
男「えっと…。」
晶「…先輩キレてる?」
美紅「だろうね~ま、今は夏希と遼介君の分まで仕事しよっか!」