第12章 耳と尻尾【瀬尾遼介編】
遼介の元へ行くと、そのまま手を引かれ裏口に通された。
裏口に入ると、
遼介は私を優しく抱き締めた。
遼介「大丈夫か?夏希。」
頭を優しく撫でられ、さっきまで強張っていた身体から急に力が抜けた。
夏希「怖かった…!」
ポロポロと涙が零れると、
遼介はその涙を舐め取った。
それでも泣き止まない私に、遼介は微笑みながら、
私に甘いキスをしてくれた。
少し時間が経ち、
気分が落ち着くと、遼介は私の額にキスをして、
愛を囁いてくれた。
遼介「…次はぜってー守ってやっから。愛してるぜ、夏希」
夏希「うん、ありがと、遼介…。」
店内に戻ると、
さっきまでいた男はいなくなっていた。
夏希「先輩、ありがとうございました!」
先輩2「いいのよ、だって、私の可愛い後輩ちゃんを困らせてるんだもの。」
先輩は、黒い笑みを浮かべると、「じゃ、また明日ね」と言って上がった。
夏希「美紅も晶君もありがとね。」
美紅「全然大丈夫だよ!
それに、いいものが見れたし、ね~」
と言って、美紅は私と遼介が抱き合っている写真を見せてきた。
夏希「なっ、美紅…!?消して!」
おしまい