第11章 耳と尻尾【御子柴実琴編】
横目でチラリと御子柴を見れば、
耳と尻尾があるからなのかは分からないが、
ドキッとしてしまい、直視出来ない。
出来ない筈なのに、またチラリと御子柴を見てしまう。
御子柴「ん?どうした夏希?」
夏希「いや、…なんでもないっ!」
精一杯の笑顔を作るが、
頬が熱くて、
多分私の頬は今真っ赤だろう。
御子柴「ん~、じゃあ、次はあれやるか?」
御子柴が指差すのを見ると、
いつも私達の話に出てくるギターを使う音ゲーだった。
夏希「やる!やりたい!」
さっきまでの変な感情は無くなって、今はこの音ゲーをやりたい一心で言った。
御子柴「よし、やるか!」
夏希「対戦と協力プレイどっちにしよっか?」
御子柴「そりゃ協力だろ!
俺と夏希でハイスコア出そうぜ!」
夏希「分かった!頑張んなくちゃ!」
レベル9と言う結構難しい難易度にした後、私達は音ゲーを開始した。
そして、音ゲーが終わる頃には、
私達は息切れしていた。
夏希「疲れた…」
御子柴「そうだな…」
画面を見ると、
そこには『ハイスコア』と言う文字が書いてあった。
夏希「やった…!ハイスコアだ!」
御子柴「よっしゃ!やったな夏希!」
私達は、嬉しくてハイタッチをした。
その時、また私を変な感情が襲った。
夏希「ー…!」
また頬が熱くなる。ドキドキする。
御子柴「また顔赤いぞ?どうした、熱でもあるのか?」
そう心配してくれている御子柴を見ると、余計ドキドキしてしまう。
夏希「あ、ちょっと両替してくる!待ってて!」
私は、逃げるようにその場から立ち去った。