第11章 耳と尻尾【御子柴実琴編】
夏希side
私は、初めてやるゲームに覚束ない手つきでボタンを押していく。
御子柴と私はかなりのゲーム好きで、
よくゲームの話をしていた。
特に、リズムゲームや音ゲーを話している。
だが、この新作ゲームはなかなか難しく、上手くボタンが操作出来ない。
……このままじゃ、確実にゲームオーバーだ。
どうしようか悩んでいると、
御子柴の手が私の手の上に乗った。
そして、すぐ後ろには御子柴がいて、
御子柴の家の柔軟剤の香りが広がった。
夏希「み、こしば。」
御子柴「俺が教えてやる。
一緒にやればコツ掴めんだろ。」
と何気無い顔で言っているが、
私はそれどころでは無かった。
その後、私はあっさりゲームクリアして、
ハイスコアを叩き出した。
御子柴「初めてでこんな出来んのか…
すげぇな、夏希」
夏希「ありがと」
やっぱり、御子柴に褒められるとスゴく嬉しい。
先生に褒められた時より何倍も嬉しい。
………なんだろ、この感情。